2022年度両国祭への参加に際して
一昨年度、昨年度に続き、今年度も淡交プラザ誌上での参加になりました。
「環境とエネルギー」という大きなテーマの下、当会の提言、各委員が日頃取り組んできました活動の成果をご披露させて戴きます。宜しくお楽しみ戴きますようお願い致します。又、読後感、気づかれた修正点のご指摘等を戴けましたら幸いです。
今回も淡交会事務局、Web委員会等の関係者の皆様には随分とお世話になりました。この機会に改めて御礼を申上げます。
永らく発足以来の6名で活動を続けてきましたが、一昨年以来、順次細谷和海委員(67回)、近藤和廣委員(62回)、一澤成典委員(69回)の3名の新規入会を得、他方、岡田委員(58回)の急逝、中瀬委員(60回)の退会があり、現在7名での活動になっています。
末尾に当委員会の概要を付してあります。ご一読願い、淡交会会員同志の仲間作りに当委員会に加入願えれば幸甚です。
淡交会環境委員会
提言
G7サミット(ドイツ・エルマウ)の合意文書を受けて
~次期G7サミットの議長国日本の取るべきリーダシップとは~
2022年6月28日、ドイツ・エルマウで開催されたG7サミット(主要7か国首脳会議)が合意文書を採択して閉幕しました。
合意文書では、「気候変動」と「エネルギー問題」があらゆる分野にまたがる重要なテーマとして位置づけられています。
G7サミットは、昨年11月のCOP26で採択された「グラスゴー気候合意」が示した「1.5度目標」の実現への決意を再確認し、2030年までに世界の温室効果ガスを半減させるため、すべての国に対して今年11月に開催されるCOP27(エジプト)が始まる前に、2030年目標を見直し、強化して再提出することを要請しました。
COP26(英国 グラスゴー)の開催に遡る昨年10月、日本政府は「第六次エネルギー基本計画」と「地球温暖化対策計画の改定」とを閣議決定し、これらを骨子とする日本の考え方をCOP26において岸田首相が表明しました。
その要点は、①2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年比46%削減、さらに50%の高みを目指して挑戦し続ける。②2030年電源構成として、再エネの拡大については現行の20%~24%から36%~38%に引き上げる。③原発の比率は20%~22%を維持する。④石炭火力発電は19%を維持する。
この石炭火力発電の継続を表明したこともあって、既報の通り、国際NGOから、地球温暖化対策に後ろ向きと見做されて「化石賞」に選ばれ、世界の潮流から乖離している現状を知らされました。(淡交会報第87号環境委員会報告その24 より引用)
G7サミットの重要な合意の一つは、2035年までに電力部門の全部または大部分を脱炭素化すること、及び排出削減措置の取られていない石炭火力発電所を廃止することです。
ロシアのウクライナ侵攻から4か月の間に、世界各地で甚大な気候災害が多発しています。日本ではエネルギー価格の高騰だけがエネルギー危機として論じられていますが、気候災害は見過ごしてはならないエネルギー危機です。この危機への解決策は原子力や化石燃料への回帰ではなく、気候と生物多様性の目標を堅持し、世界の長期目標でもある脱炭素化を加速させることです。
日本は、次期G7サミットの議長国として、COP27の開催前に、より野心的な目標を提示するなど、世界の脱炭素化を牽引し 自らの行動によって範を示すことこそが期待されます。(2022年7月)
(参考)CAN-Japanプレス公表「脱炭素こそがエネルギー危機と気候危機の解決策」(2022.7.1)
淡交会環境委員会
委員長:磯貝三男(56回)
委員:中村晴永(55回)伊藤林(62回)近藤和廣(62回)細谷和海(67回)
一澤成典(69回)清田秀雄(74回)